pixivでIbのファンアート漁りをしていたらかなり興味深い考察を見つけた。
何やら曲の歌詞の引用が多いのはスルーするとして、登場人物の精神的な機微に関してあまり他で見ない説が結構あった。
- イヴはようこそゲルテナ/絵画の末路EDにおいてなぜ座り込んだ?→うさぎの置き物(と同じ)になろうと思ったから
- ギャリーは女性恐怖症であり、イヴに対しては男~女ではなく大人~子供の関係を徹底していた
この辺は作中の表現から読み取りうる説として割と確度があると思う。特に後者はリメイク版で「なんでこんなに女の絵があるのよ」と言っていたところの違和感に大分ピタッとハマる。単に美術館での経験を踏まえていたのなら「絵の女」でも良かった。一見ギャグっぽい官能小説のイベントも、男女関係を持ち込むことを否定しイヴを子供と定義づける補強として読める。
居場所がどうの、というあたりは妄想の範囲を出なそうなので厳しい。精神的なものが直接的に世界の挙動に影響を与えるようにはあまり思われない。
あと、「深海の世」がメアリー以上に特殊な立ち位置という説も確度が上がってきた。
ラスダンで「深海を歩く君へ」とか言って、つまりあの美術館世界はゲルテナの言うところの「深海」そのものであることがほぼ明言されている訳だ。言われるまで気付いてなかった。そうすると「深海の世」は美術館世界そのものあるいは美術館世界の出入り口みたいな立ち位置を(常に)占めている可能性はかなり高い。しかしそうすると問題は「絵空事の世界」との関係だ。絵の中身を見れば美術館世界そのものは絵空事の世界が表していると考える方が自然である。
- 絵空事の世界
- 「現実世界の美術館」で前に立つと「誰も居ない美術館(白)」に呼び込まれる
- 「誰もいない美術館(黒)」で飛び込むと「現実世界の美術館」or「誰もいない美術館(白)」に転移する
- 絵の中身は明らかに「恐怖の美術館」
- 深海の世
- 「誰もいない美術館(白)」で飛び込むと「恐怖の美術館」に転移する
- 「誰もいない美術館(白)」に溢れて満たすことがある
- 少なくともラスダンは「深海」と表現されている
結構複雑である。
作中描写に従って安直に線を引くならこう?
しかしこの図だと、絵の内外を移動しているのに絵に飛び込んではいないことになる移動がいくつもできるのだ。(図破線部)というより、Ibは「絵の中の世界」がテーマになっているのに絵に飛び込むシーンが実はほとんどない。絵から飛び出てくるやつらはいるが。
また、「深海の世」が絵空事の世界に存在するにも関わらず現実世界にも存在することになる点も気になると言えば気になる。考えられる解決策としては…
- 「深海の世」は比較的容易に外にはみ出すことができる。境界は曖昧。実は恐怖の美術館の中にも深海の世の内外があるのかもしれない。
- 「絵空事の世界」の境界もそこまで厳密ではない。出る時は飛び込みが必須だが、入るときは視認した時点で取り込まれてるくらいの勢い。
このあたりか。関係ない作品を出せば、ジョジョ4部の振り向いてはいけない小道とかも入口曖昧で出口は厳密だったし、不思議の国のアリスも喋るウサギは唐突に目の前に出てきたし、割と色々な物語において異界の入口はそういうものなのかもしれない。
「異界の入口は曖昧で出口は厳密」という与太話を続けると、それに従って考えれば「誰もいない美術館」は「恐怖の美術館」以上のヤバい異界ということになりそうだ。境界は怖い!メアリーが末路EDで閉じ込められる「誰もいない美術館(白)」からは「恐怖の美術館」に入れないんだろうか?
「恐怖の美術館」と「深海の世」の関係に関する試論としては、「深海の世」のさらに中にエアポケットのように作られた世界として「恐怖の美術館」がある、というのが考えられるかもしれない。
頭に何かが詰まったようにタスクが進まない。代わりにIbとケムリクサと少女終末旅行の二次創作漫画のプロットが計6本生えた。
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