2025/12/5(金)

MOSFETの熱雑音が$4kT\gamma g_m$で表されるというので一体このgmはどこからやって来たのだと不思議に思っていたが、これは本来$V_{DS}=0$における$g_{ds}$であって近似として大体一致するということらしい。

計算してみると、

飽和領域の式: $$I_D=\frac{1}{2} \frac{W}{L} \mu C_{ox} (V_{GS}-V_{th})^2$$

線形領域の式: $$I_D=\frac{W}{L} \mu C_{ox} V_{DS}(V_{GS}-V_{th}-\frac{1}{2}V_{DS})$$

$$g_{ds}|_{V_{DS}=0}=\frac{\partial I_D}{\partial V_{DS}} |_{V_{DS}=0}$$

$$=\frac{W}{L}\mu C_{ox} (V_{GS}-V_{th}-V_{DS}) |_{V_{DS}=0}$$

$$=\frac{W}{L}\mu C_{ox} (V_{GS}-V_{th})$$

$$g_{m,sat}=\frac{\partial I_D}{\partial V_{GS}}$$

$$=\frac{W}{L} \mu C_{ox} (V_{GS}-V_{th})$$

となり、確かに一致する。

あと、このγの理論値が(長チャネルにおいて)2/3に一致するという教科書によく書いてある話については、「Noise: Sources, Characterization, Measurement」という昔の本を見れば書いてありそうなのだがさすがに手元にない。大学で探すか。

Categories: