2024/7/11(木)

ホメロス「オデュッセイア」を読了した。長かった。

読み方がなんとなく分かってからは純粋に読み物として面白く、物語としてとてもしっかり出来ていた。当時の習俗なんかも垣間見れるのが良い。客のもてなしとか、百牛の供儀とか、右手の方を鳥が飛ぶと吉兆とか。なんというか全体に、ちゃんと神話を軸に生活が回っている感じがするのが良い。

独特な言い回しも中々面白かった。「翼ある言葉をかけて言うには」とか「エウマイオスよ、おぬしはこう言ったな」とか。やたら長くて細かいたとえ話もそう。翻訳なので原語の響きをそのまま捉えている訳ではないんだろうが、知らない文学表現の世界がある(あった)というのが確かに分かる。個人的には「○○が止めねば二人は朝日が昇るまで泣いていただろう」ではなく「二人が泣いている間に朝日が昇っていただろう」みたいな感じの言い方をするやつ。倒置法と呼んでいいのか分からないが、ちょっと変わった逆転がスパイスになっている。自分もなんか文を書くことがあったら使ってみたい。

結構ギリシアへの興味がちゃんと出て勉強したくなった。「イーリアス」も読まねば。


ゲーム制作ライブラリの開発を進めた。vcpkgを捨てた。

VulkanMemoryAllocator-Hppをvcpkgで入れてみたのだが、Vulkan-Hppのバージョン問題によりコンパイルが通らない。Vulkan-Hppはv1.3.282においてresultCheckとかをvk::detail名前空間に移動してしまった。VulkanMemoryAllocator-Hppはそれ以降を念頭に置いたソースになっているのに対し、vcpkgで入るVulkanヘッダは1.3.280だ。Vulkan SDKを直接使えばいい話なのだが、vcpkgでVulkanMemoryAllocator-Hppを入れるともれなくvulkan-headerも付いてくるし、includeでそちらが優先されてしまう。

vcpkgのVulkanパッケージのアップデートをお願いしてみようと思ったが、先月issueがすでに建てられ、そして放置されている。終わりだ。

仕方ないのでもうvcpkgはやめ、FetchContentとやらを真面目に試した。

今まで公式のReadMeにFetchContentが書いてある、みたいな場面を除いては使ってこなかったのだが、どうやらリポジトリのルートにCMakeLists.txtがあるライブラリならかなり簡単に導入できる。これはかなり良い。自分のライブラリもこんな感じで配布できると嬉しいかもしれない。

ただ、VulkanMemoryAllocator-HppをFetchContentで入れようとすると問題が起きる。なんかVulkanMemoryAllocator::VulkanMemoryAllocatorが無いとか言われる。じゃあと思ってVulkanMemoryAllocatorも入れてみると今度は重複エラーが出る。クソくらえ。

そこで、FetchContent_Declare+FetchContent_MakeAvailableではなくFetchContent_Populate(つまりビルドせずダウンロードだけ)の仕組みによってどうにかしようと思った。VulkanMemoryAllocator-Hppはヘッダオンリーライブラリなので割と楽に思惑通りになった。

https://qiita.com/ousttrue/items/4fa7a786a6c51e9f11f0#fetchcontent_populate

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