2021/8/28(土)

「記号論への招待」を読み進める。「意味する」ということとは何か、という部分が掘り下げられていたので良かった。あるものに別の何かを読み取る、という点でいわゆる推論と本質的には変わらないというのはちょっと面白い見方だと思った。


北野唯我「天才を殺す凡人」を斜め読みした。煽情的なタイトルと若干気持ち悪いストーリー仕立てである部分を除けば中身は面白い。

ただ「天才」「秀才」「凡人」という枠組みについて、多分この本の捉え方だと「天才」や「秀才」が能力を発揮する対象は人間以外の物の操作に限る前提な気がする。(自他含む)人間の理解や操作というのも技術だと自分は思っているので、「人の感情の理解や操作の天才・秀才」というのはこの枠組みでちょっと語りにくいか、あるいは「凡人」という枠になりそうに見える。実際「共感の神」が凡人枠だし。まあ、「人間以外の理解に秀でている人間よりも人間の理解に秀でている人間が圧倒的に多い」という意味で別枠にしたと考えれば納得は出来るかもしれない。

あとは、ケンの語りが全体的に「 世の中の仕組みとしてこうした場合こうなる傾向がある」ではなく「世の中の仕組みはこうなのでこうした方が良い」みたいな言い方が多いのが鼻につくなあ、と思った。記述的ではなく善悪基準で語りがちというか。本の中で「秀才は『知識を主語にして物を語るタイプ』及び『善悪を主語にして物を語るタイプ』がいる」と言及されているので、もしかしたら自覚的に後者の体で語っているのかもしれない。にしてはあとがきで「ケンは天才・秀才・凡人すべてを知るもの」という扱いになってるんだよなあ。


筋肉体操をさぼってしまった。明日はやる。

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