2021/7/18(日)

「思想背景薄めの理系」で77の韻を踏めることに気づいた。


死ぬほど作業が進まなかった。自分はどういう状態になれば作業が進むのか、昔から一つもわからん。


自宅隔離になる前に大学でやった実験の内容に関するレポートを書いている。

伝送線路に関する理解が本当に全然なかったことに今更気づいた。座学でほえーってなって実験やってハッとなってさらにもう一回座学やってようやく「あ~…」みたいな感じになってきている。

例えば「信号はインピーダンス整合してないと反射しますよ」とか言われても、式の上でやったこととしては電信方程式を適当に境界条件付けて解いたら後進波の係数がこうなりますねというだけなのであんまりイメージが付かない。しかし実際にパルスを飛ばして遅れて帰ってくるのをオシロで見るとなるほどとなる。さらにそれに定量的な考察とかを考えてみるとようやく頭の中でしっかりした形でまとまってくる。

こういうの考えるとやっぱり良い教科書と自由に使える実験環境二つ揃ってサイクル回せるっていうのが理想なんだよなあ。

今日一感動したのは反射係数の式。もちろん$\frac{Z_L-Z_0}{Z_L+Z_0}$という式は知っていたけど、これがどういう風に働くか。

例えば1Vで出力インピーダンス50Ωの電源に特性インピーダンス50Ωの線路をつないだとする。到達時の電圧は50/(50+50)という分圧で1/2Vになる。これはまあ分かりやすい。特性インピーダンス100Ωなら当然100/(50+100)で2/3Vになる。

問題は次だ。先ほどと同じ電源に、特性インピーダンス50Ωの線路を挟んで100Ωの線路を繋ぐとどうなるか?電源(50Ω)-(50Ω線路)-(100Ω線路)-終端という感じだ。これで100Ωの線路に信号が到達した瞬間の電圧はどうなるかというと、なんと2/3Vになる。間に50Ω線路という異物があるにもかかわらず、到達時の電圧は同じになる。

50Ω線路に到達したときの電圧は50/(50+50)なので1/2Vだ。次に100Ω線路に到達したときの電圧はどうなるかというと、50Ω線路から伝わってきた1/2Vに反射波が乗っかる。この値は$0.5V\times \frac{100-50}{100+50}=1/6V$であり、足すと2/3Vになる。どうやら電源と整合した伝送線路ならば、間に入れても変な相互作用を起こさずただの延長になってくれるらしい。確かに直感的にはそうなってほしくあるが、計算してそうなるのはなかなか感動した。

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