2021/12/10(金)

ごついコートを着ていると暑くなるので、上半身パーカー+マフラー、下半身の下着にタイツを着用して出かけてみたが、割とちょうどよかった。もうちょい寒くなるまではこれでいくか。

タイツというものが存外に良い。この間初めて手に入れたばかりだが、下半身が暖かいのがとてもありがたい。

残りまだ寒いところは袖の手首の隙間から腕に吹き込む冷気か。手袋でも装備するといいかもしれない。

夜になるとさすがにやや冷えた。夜を見越してやはりコートを着るかどうかは微妙なところ。


ちくま学芸文庫の自発的隷従論に付論として載っている、シモーヌ・ヴェイユ「服従と自由についての省察」を読了した。短めの文書だが、かなり尖ったことを書いているなあという印象だった。でも説得力はある。かなり面白い。

まず「あらゆる思考は秩序破壊的である」という主張が火の玉ストレートすぎる。そんでもって「あらゆる社会秩序は悪である」というのもなんかもう、なかなかエグイなーと。

この主張をひっさげたうえで「既成秩序に抑圧されている人が秩序を転覆しようとするのを責めることはできない」「既成秩序に依存している人がそうした人を抑圧するのを責めることはできない」という形で両者に理解を示すのがなんというか救いがない。そうした闘争は人間が社会をやっていれば原理的に生じるものであって、避けることはできない。わかるけどさあ…わかるけどさあ!!!もう少しこう何というか手心というか…

自由を愛する人が目指すべきはその闘争が終わることではなく、その暴力が一定の範囲内に収まることである。まあ妥当な落としどころかな。進撃の巨人をちょっと思い出す。

ピエール・クラストル「自由、災難、名付けえぬ存在」も読んだ。

ラ・ボエシ評についてところどころ穿ちすぎじゃないかというか、ラ・ボエシはそんなこと語ってたっけみたいな部分もあるが、言わんとするところはなかなか面白い。原始社会は未熟ゆえに国家にまだなっていないとかなれないのではなく、国家になることに自発的に抗っているのだみたいな話とか。若干原始社会を理想化しすぎなんでないの、みたいな気もするが、自分は文化人類学的な素養がある訳ではないのでその辺は何とも言えない。

「災難によって生み出されたこの人間は、もはや人間でなく、動物ですらない」これつまり胎界物の話じゃん。(またなんにでも胎界主を結びつける…)

16世紀ヨーロッパの新大陸との交流みたいなうんちくも面白かった。

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